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vol.6 僕等の身体は素粒子から出来ている!?
素粒子って何?原子なら聞いたことあるけど、素粒子なんて知らないぞ!
物を粉々に壊してみよう!
僕らの身の回りにあるものって、一体何からできているのだろう?そう思ったことのある 人も多いのではないでしょうか。遠い昔、紀元前400年頃の哲学者デモクリトスは、この 世界に存在する物質は全て、これ以上分解不可能な「原子」というものでできていると考 えました。つまり、たとえば自分が使っている机や椅子、地面に転がっている石、空を見 上げたときに見える星々、果ては自らの身体などを金槌で細かく叩き壊していったとき、 最後にこれ以上壊せないものとして残るのがその「原子」だと考えたわけです。角砂糖を 叩くと砂糖の粉になりますよね。この粉をさらに叩くと、もっと細かくなるでしょう。そ して細かくなったものをさらに叩くと…というようにして最後に残るものを「原子」と名 づけたわけですね。

原子、そしてさらに小さな構造の発見
壊せるなら壊して中を見たくなるのが人間というものです。現在では原子は電子と原子核 に分けられ、そして原子核をさらに壊すことで、原子核は「陽子」と「中性子」から作ら れていることが確かめられています。これらを総称して核子と呼びます。この辺まで来る と、もはやあまり馴染みの無い名前になってきますよね。でも、世の中はさらに小さな構 造を持っていました。陽子と中性子すらもさらに小さな粒子が集まってできていたものだ ったのです!

そして素粒子へ
我々素粒子物理学者は、核子を形作る粒子のことをクォークと呼んでいます。クォーク、 そして電子は今までのところ、それ以上小さなものから作られているという証拠が見つか っていません。つまり、遥か昔デモクリトスが唱えたこれ以上分解不可能なものとしての 「原子」は、実はクォークと電子のことだったのです。しかし、原子という名はすでに使 われているため、現在ではこれら分解不可能な粒子のことを「素粒子」と呼ぶようになり ました。そういう意味では、素粒子というのは時代と共に対象が変わりうるものです。も しクォークよりも小さなものが見つかれば、今度はそれが素粒子と呼ばれるようになるの です。

素粒子の性質を調べる加速器とILC
これら素粒子の仲間は、様々な方法を用いて色んな性質が調べられています。最もポピュ ラーなのが加速器による実験です。加速器というのは、粒子を物凄いスピードに加速して 衝突させる装置です。衝突させることで内部の構造や、素粒子の性質を調べることが出来 ます。このお話はまた別の機会にしようと思います。ILCというのは、次世代の加速器と して計画されているもので、素粒子物理学の発展に無くてはならない重要な実験として位 置づけられています。ちなみにILCとは、International Linear Collider(国際線型加速 器)の頭文字をとった略称です。何故ILCが素粒子物理学にとって極めて重要なのか?そ れはこのコラムを定期的に読み続けて貰えれば少しずつ分かってきますので、今後のお話 を楽しみにして頂ければ幸いです。それではまた次回のコラムでお会いしましょう。

(文・伊藤英男 東京大学宇宙線研究所)



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